「家財道具の片づけがぜんぜん進まない」
「業者に処分してもらうといくらかかるの?」
実家などの遺品整理をしていると、思い出の品が出てきて作業がストップするなど家財道具の整理はなかなか進みません。
空き家から遠方に住んでいると、なおのことです。
ただし、思い切って処分作業を進めていかないと、今後の売却や活用もできなくなってしまいます。
また、業者に作業をお願いするにしても、費用のことが気になります。
こちらの記事では、空き家の家財道具の整理の方法や費用、タイミング、注意点などを説明しました。
この記事を読んでいただくと、こんなことが分かります。
・自分で家財道具を処分する場合の手配の方法
・家財道具の処分をしてくれる業者の種類
・家財を処分するときの補助金制度について
・家財道具の処分作業をするときのポイントや注意点
目次
■自分で家財道具を処分する方法
・粗大ごみは市町村の回収サービスを利用する
・テレビ・エアコン・冷蔵庫などはリサイクル回収を利用する
・リサイクルショップやネットオークションを利用する
■業者へ処分を依頼する方法
・遺品整理業者・不用品回収業者を利用する方法
・解体業者を利用する方法
■家財道具の処分費用を抑える補助金制度
■家財道具を処分するときのポイントや注意点
・期限を決めて作業を進める
・遺品整理業者(家財処分業者)が行った処分費用は売却時の経費にできない
■まとめ
自分で家財道具を処分する方法
空き家の家財道具を自分で整理すると、業者へ依頼したときよりも費用を抑えられるメリットがあります。
ただし、分別や大型の家具・電化製品の搬出に手間や時間がかかることがデメリットです。
自分で家財道具を処分する方法には以下の3つがあります。
・市町村の回収サービスを利用する方法
・リサイクルサービスを利用する方法
・リサイクルショップなどに買い取ってもらう方法
粗大ごみは市町村の回収サービスを利用する
家庭ごみ以外の粗大ごみは市町村の回収サービスを利用して廃棄します。
市町村のごみ回収は税金で賄われているため、非常に安価に利用できるのがメリットです。
ただし、細かい分別のルールがあり、時間と労力がかかるのが難点です。
近隣とのトラブルの原因にもなるため、面倒でもルールに従ってゴミ出しを行いましょう。
まず、ごみの種類ごとにコンビニなどで粗大ごみ処理券を購入し、ごみに貼付が必要です。
オイルヒーターやストーブ、炊飯器、こたつなど、様々な品目があり、貼付するごみ処理券の金額も異なります。
くわしくは市町村のホームページで確認してください。
個別での予約が必要で、指定された日時に回収場所まで運ぶ必要もあります。
また、地域のごみ清掃センター(焼却場)へ持ち込む方法もあります。
テレビ・エアコン・冷蔵庫などはリサイクル回収を利用する
テレビ・エアコン・冷蔵庫(冷凍庫)・洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象になり、他の粗大ごみとは捨て方が違い、リサイクル回収を利用して廃棄します。
新品を購入するときは販売店に引き取ってもらいますが、廃棄のみの場合は指定業者まで持ち込むか、自宅まで来てもらって引き取ってもらう方法が一般的です。
利用する際にリサイクル料がかかるのと、引き取ってもらう場合は業者の収集運搬料金がかかります。
リサイクル料金の支払い方法は、郵便局で振り込みで支払い、引き換えに家電リサイクル券を受け取ります。
メーカーや種類、大きさでリサイクル料金が異なりますので、ご注意ください。
以下はメーカーや種類ごとのリサイクル料金の一覧表です。
https://www.rkc.aeha.or.jp/recycle_price_compact.html
リサイクルショップやネットオークションを利用する
新たに利用してくれる人を探す方法です。
リサイクルショップの買取やメルカリなどのネットオークションでの販売などがあります。
リサイクルショップを利用するメリットは手間がかからないことです。
お店への持ち込みや出張買取を利用して、すぐに現金化・処分することができます。
ただし、デメリットもあり、ネットオークションと比べると金額が下がることと、買取できないものがあることです。
リサイクルショップが家財を購入する目的は転売です。
転売できないものは買取ってくれません。
買取できないものは「製造してから5年以上経過した家電」「使用した寝具」「大型の収納家具」など多岐にわたりますが、転売できない(需要がない)ものになります。
ただし、使用した食器や引き出物のタオルなど、私たちが見たときに「買取できないだろうな」という意外なものを引き取ってくれることもあります。
出張買取を依頼する場合は建物内のすべての家財をチェックしてもらうようにしましょう。
メルカリなどのオークションを利用する場合は手間はかかりますが、リサイクル業者に買い取ってもらうよりも高額で売れることがあります。
ネットオークションの利用に慣れている人はそちらを利用すると良いでしょう。
業者へ処分を依頼する方法
空き家の家財道具の整理・処分を業者へ依頼すると、自分で処分するよりも費用はかかりますが、時間や手間をかけずにスムーズに作業を終えることができます。
家財処分を依頼できる業者は、「遺品整理業者(不用品回収業者)」「解体業者」の大きく2種類です。
遺品整理業者・不用品回収業者を利用する方法
遺品整理業者も不用品回収業者も家財道具を処分する業者ですが、違いがあります。
■不用品回収業者
不用品回収業者は不用品やごみの処分、運搬に特化した業者です。
空き家内の家財は遺品であることが多く、思い出の品もあるかと思いますが、不用品回収業者の場合、不用品は処分品として考え、依頼者から見たときに「扱いが雑だな」と感じるおそれがあります。
■遺品整理業者
遺品整理業者は故人の遺品の仕分けに特化した業者です。
遺品は故人や遺族の想いが詰まった品物です。
遺品業者は遺族にとっての貴重品や写真などの思い出の品を細かく仕分けて、依頼者に確認したうえで処分してくれます。
また、多くの遺品整理業者は処分後の室内のハウスクリーニングまで対応しています。
以下は遺品整理業者や不用品整理業者に処分をお願いしたときに想定される処分費用の概算表です。
建物の広さや家財の量、作業する人数で費用は異なります。
必ず事前に見積もりを取ってから金額を確認しましょう。
仕分け作業の分だけ時間がかかるため、遺品整理業者の費用は不用品回収両社よりも割高になることが多いです。
解体業者を利用する方法
建物を取り壊しときに、解体業者に家財道具をいっしょに処分してもらうことができます。
処分費用は4トンのダンプカー1台当たり7万円から8万円が相場です。
一般的な広さの住宅(35坪前後)の場合、処分費用の合計は30万円前後になることが多いです。
こちらも家財の量で費用が異なります。
必ず事前に見積もりを取ってから金額を確認しましょう。
家財道具の処分費用を抑える補助金制度
市町村によっては、空き家の家財道具を処分するときにかかる費用の一部を助成する制度があります。
新潟県の場合は小千谷市や柏崎市、上越市が実施しています。
残念ながら新潟市では行っていませんが、利用できる市町村に空き家が所在している場合はぜひ利用してください。
補助金を受けるには条件があり、ほとんどの市町村が「空き家バンクに2年以上継続して物件を登録する方」という条件を設けています。
詳細な条件は各市町村へ確認してください。
家財道具を処分するときのポイントや注意点
空き家の家財道具を処分するとき、以下のポイントや注意点を意識しながら作業を進めてください。
・期限を決めて作業を進める
・遺品整理業者(家財処分業者)が行った処分費用は売却時の経費にできない
期限を決めて作業を進める
家財処分のスケジュールを事前に立てることで、作業を効率的に進めることができます。
家財処分と売却活動を同時進行で行っている場合は完了時期を明確に決めて作業を行ってください。
家財道具の整理がすべて完了しないと売却活動をできないとお考えの人もいらっしゃいますが、建物を解体する前提であれば家財道具の整理と並行して販売することができます。
特に、購入希望者がもう決まっている場合は契約書の中の引き渡し時期を守る必要があり、スケジュール通りに作業を進めていく必要があります。
昔の住宅はタンスなどの収納家具が多く、大きな家具を搬出するのは力のいる作業です。自分だけで家財道具の整理をするのが現実的ではないこともありますので、作業ができない範囲は業者に任せるなど、臨機応変に作業を進めましょう。
また、売却したあとに利用できる税金の特例には期限の要件があります。
例えば、相続した不動産を売却するときに利用できる「空き家の3000万円の特別控除の特例」は「相続開始(お亡くなりになった日)から3年を経過する年の年末」までが期限で、それまでに買主へ引渡しをする必要があります。
節税効果が最大で600万円あり、利用価値が非常に高い特例です。
家財道具の処分に時間がかかってしまうと、利用できないという事態になりかねません。
計画したスケジュールに沿って作業を進めるようにしましょう。
遺品整理業者(不用品回収業者)が行った処分費用は売却時の経費にできない
不動産を売却するとき、仲介手数料や測量費用などの様々な費用がかかり、経費として扱うことができます。
経費は譲渡所得(売却益)から控除され、税額を下げることができます。
それでは、遺品整理業者や不用品回収業者が行った家財道具の処分費用は経費として扱えるでしょうか?
結論からお伝えすると、経費として扱えません。
経費として扱えるのは「売るために直接かかった費用」だけになります。
家財道具の処分費用は「売るために直接かかった費用」ではなく、「資産の維持や管理にかかった費用」という扱いになってしまい、経費として扱えないのです。
ただし、解体業者に家財道具の処分をお願いし、建物を解体する費用と一式で請求が計上されている場合は「案分できない」という理由で経費として扱えます。
わたしからのお勧めの方法は、建物を解体するときは家財道具の処分も解体業者に依頼し、費用は解体費用と合計した一式で請求してもらう方法です。
参考になさってください。
まとめ
家財道具を自分で処分するときは市町村の割安なサービスを最大限に利用して進めてください。ただし、ごみの分別やごみ捨て場所のルールは守りましょう。
業者を利用する場合、「遺品整理業者(不用品回収業者)」と「解体業者」にお願いする方法があります。
建物を解体する場合は解体業者、中古住宅として売却する場合は遺品整理業者か不用品回収業者を利用しましょう。
家財道具はお亡くなりになった故人が遺した遺品です。
故人が生前に残した意向がある場合は、その考えを尊重した遺品整理を進める必要があります。計画的に作業を進めましょう。
また、不動産を売却するとき、測量以外にも様々な費用がかかります。
以下のリンク先のページで詳しく解説しました。
ご興味のある人はご覧になってください。