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「登記費用って何?」

不動産を売却するときの費用には「仲介手数料や」「解体費用」「測量の費用」「税金」など、様々な費用がありますが、その中のひとつに「登記費用」があります。

こちらの記事では、登記費用が「どのような種類の費用なのか?」、「いくらかかるのか?」、「誰が負担するのか?」について詳しく解説しました。

 

この記事を読んでいただくと、こんなことが分かります。

・登記費用とはどんな種類の費用なのか

・登記とは何か

・どんな時に必要で、誰が費用を負担するのか

・登記の時に必要な書類

 

目次

■不動産の登記とは?

・登記の種類

■登記費用とは?

・登録免許税

・司法書士・土地家屋調査士への手数料

■代表的な登記手続きの種類と誰が負担するか

・氏名・住所変更登記が必要なケースと相場は?

・抵当権抹消登記が必要なケースと相場とは?

・地目変更の登記が必要なケースと相場は?

・建物の未登記部分の更正登記が必要なケースと相場とは?

■登記手続きの時に必要な書類とは?

■まとめ

 

不動産の登記とは?

不動産の登記(制度)とは、土地や建物などの不動産が「どこにどのような状態で存在しているのかなどの状況」と「誰が所有しているのかなどの権利関係」を「登記簿」という公的な帳簿に記載して一般公開することで権利を明らかにし、取引の安全性と円滑化を図ろうとする仕組みです。

 

売買などで不動産の所有者に変更があった時や引越しで居住地が変更になった時、建物を増築した時など、登記簿の内容と実際の状況に変更があった場合は、登記をすることで登記簿の内容を変更する必要があり、その時にかかる費用を登記費用と呼んでいます。

 

登記には「対抗力」という法的な効力があります。

対抗力とは第三者に不動産の所有権を法的に主張できることを言います。

つまり、登記をすることで所有権を主張できるということです。

登記をしていない場合は第三者が「これはおれのものだ!」と主張してきても、登記簿の情報を根拠に「私のものです!」と主張することができません。

たとえば、不動産を相続した場合、相続の登記をせずに故人が登記されたままの状態では売買ができないということになります。

ちなみに以下が登記簿の見本です。

登記の種類

登記の種類には大きく2種類があり、「表題部の登記」と「権利部の登記」があります。

登記簿の中の表題部という欄を変更する場合には「表題部の登記」、

権利部の欄を登記する場合には「権利部の登記」と呼んでいます。

 

表題部に記載されている内容は?

登記簿の表題部には、「不動産がどこにどのような状態であるのか」が表示されています。

土地の場合には「所在」「地番」「地目」「地積(面積)」です。

建物の場合には「所在」「家屋番号」「種類」「構造」「床面積」が記載されています。

下の写真のような感じです。

こちらの表題部には、所有者の住所と氏名も記載されていますが、省略されているものもあります。

「原因」は取得理由ですが、「不詳」となっているのはおそらく昔から所有している土地なのでしょう。

 

建物の「家屋番号」と土地の「地番」は、その建物や土地だけに割り振られている番号です。

普段の生活で利用している「住所」とは全くの別ものです。

ちなみに「住所」は、住居表示制度の施行で、地番の代わりに振り分けられた番号です。

地番は数字の桁が3桁になったり、土地が分割されると新たに生まれたり、日常生活をする上で非常に使いづらい数字です。

そのため、地番とは別に使われるようになったのが住所です。

今でも新潟市の新潟島などでは住居表示が実施されていない地域がたくさんあります。

 

ここでは建物の登記簿の写真がなくて申し訳ないのですが、建物の「種類」は、「居宅」や「共同住宅」や「店舗」や「事務所」など、建物の利用方法です。

 

「構造」は「木造葺屋根2階建」や「鉄筋コンクリート陸屋根5階建」のように、建物の主要な構造+屋根材+階数で表示されます。

 

「地目」は建物の「種類」と同じような性質のものです。

その土地がどのように使われているか、登記当時の使い方にあわせて記録されています。

 

具体的には、

 

田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼(ちしょう)、山林、牧場、原野、墓地、境内地(けいだいち)、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝(せいこう、いこう)、保安林、公衆用道路、公園、雑種地

 

と、全部で23種類の地目があり、不動産登記法で、このなかのいずれかを使うように規定されています。

新潟市のように、昔は田畑が多かった地域の場合、「宅地」「公衆用道路」「雑種地」のほかに、「田」や「畑」や「用悪水路」のような地目が多いです。

 

表題部の登記を所有者本人の代理で行うのは土地家屋調査士という資格を持っている者です。

 

権利部に記載されている内容とは?

権利部は「甲区」と「乙区」で構成されています。

甲区には、過去から現在までの所有者が誰なのか、誰だったのか(所有権)が表示されており、乙区にはその不動産に所有権以外にどのような権利が設定されているかが表示されています。

乙区に設定される権利の代表的なものは「金融機関の抵当権」です。

金融機関からお金を借りて不動産を購入した場合は、乙区に金融機関の抵当権が設定され、この不動産は金融機関の担保に入っている状態になります。

不動産を売買する場合、金融機関の抵当権を抹消する手続きが必要になります。

所有者の代理人として権利部の登記を行うのは司法書士の資格を持った者です。

登記費用とは?

登記費用の内訳は、「司法書士・土地家屋調査士への手数料」+「登録免許税」で構成されています。

 

登録免許税

登録免許税とは、登記をするときに納める税金のことです。

税額は不動産の固定資産税評価額に一定の税率をかけて計算します。

新築の建物で固定資産税評価額が決まっていない建物の場合は、法務局が定めた課税標準額をもとに計算します。

 

登録免許税の税率は登記をする原因(売買・相続など)や登記の種類で異なります。

詳細が気になる人は国税庁のホームページをご参照ください。

 

納税方法は、司法書士や土地家屋調査士に登記を依頼する場合、登記手続きを依頼する事務所へ手数料と一緒に支払い、代理で納付してもらうことになります。

 

司法書士・土地家屋調査士への手数料

不動産の登記手続きは、司法書士や土地家屋調査士へ依頼し、本人の代理で行うケースが多いですが、報酬の支払いが必要になります。

金額は依頼する事務所や登記の内容で異なるため、詳しい金額は不動産会社や利用する予定の司法書士事務所・土地家屋調査士事務所へ確認してください。

 

代表的な登記手続きの種類と誰が負担するか

不動産を売買するときに必要な代表的な登記手続きには以下の6つがあります。

売主が負担するものと、買主が負担するものに分けると、

 

■売主が負担する登記費用

・氏名・住所変更登記

・抵当権抹消登記

・地目変更登記

・建物の未登記部分の更正登記

 

■買主が負担する登記費用

・所有権移転登記

・抵当権設定登記

 

共通して言えることは、登記簿の情報と実際の状況に相違がある時に行う手続きであることです。

 

氏名・住所変更登記が必要なケースと相場は?

氏名・住所変更の登記は、転居や結婚などが理由で住所や氏名が登記簿と現在で異なる場合に必要です。

なぜ所有者の氏名や住所を現在の正確なものに変更しなければならないのでしょうか?

簡単に言うと、所有者の本人確認ができないからです。

 

仲介の依頼を受けた不動産会社や、売買契約後の所有権移転を代行する司法書士は、

「登記簿の所有者の情報」と、「売却依頼者の身分証明書の情報」が一致するかどうかで、依頼者=所有者の本人確認をします。

 

身分証明書は、免許証やマイナンバーカードなどの顔写真付きのものを利用します。

お引っ越しやご結婚などの理由で住まいの住所や名字が変わっていると、「免許証の情報と、登記簿上の情報が違う」ということになり、「違う場所に住んでいる同姓同名の別人」、

もしくは「同じ住所に住んでいる氏名の違う別人」という扱いになってしまいます。

 

そうならないために、登記簿上の情報を現在の情報に訂正します。

面倒な手続きですが、不動産取引は、法務局のようなお堅い国の機関も関わっているため、書面上の誤差は修正しなければ、どうにもなりません。

 

登記簿上の氏名や住所変更には、前住所や以前の氏名と、現在の住所や氏名が1枚の書面に載っているような、戸籍の附票などの戸籍関係の書類や、住民票が必要になります。

 

氏名・住所変更の登記にかかる費用は15,000円前後です。

 

抵当権抹消登記が必要なケースと相場とは?

不動産に抵当権がついている場合、これを外さないと売ることができません。

抵当権がすでについている不動産では、銀行は買う人にお金を貸してくれないからです。

金融機関は他の抵当権が付いている不動産には担保価値がないと評価し、第一順位の抵当権を設定することを条件にお金を貸し出します。

 

抵当権とは金融機関が住宅ローンなどのお金を貸し出すときに、不動産を担保として確保するためにつけるものです。

抵当権をつける理由は、貸し付けたお金をできるだけ回収するためです。

この権利がついていると、金融機関はお金を借りている人の支払いが滞ったときに、その不動産を強制的に売って現金にすることができます。

 

抵当権を外すためには、借りているお金を一括で返済しなければいけません。

これが抵当権を抹消する唯一の条件で、どんな不動産を売却する場合でも共通の条件です。

一般的には、買主が売主に払った売買代金で返済します。

 

まれにお客さんからのお金だけでは足りず、自己資金や新たな借金でまかなうこともあります。

このケースは住宅ローンを担保価値以上のオーバーローンで借りているときに多く見られます。

いずれにせよ、借金をきちんと全額支払うことが抵当権を抹消する唯一の条件です。

 

そのため、金融機関への返済を完了していない人が不動産を売るときには、「残りの借金を、売ったときに受け取るお金で全額返せるか」が非常に重要なポイントになります。

つまり、「残債額<将来の成約価格」という数式が成り立たない場合には、自己資金などで賄わなければいけなくなります。

 

残債額は、お金を借りている金融機関で残高証明を発行してもらうことで正確な金額を知ることができます。

売ったときに受け取るお金は、将来の成約価格になります。

あくまでも買主ありきのことのため、正確な金額を事前に把握することは難しいです。

将来の成約価格は想定できる範囲で、できるだけ低い金額で見積もっても問題がないようにしておきたいところです。

 

抵当権を抹消するときにかかる費用は15,000円前後(税別)です。

こちらは1件当たりの金額です。

 

共有名義でお金を借りている場合は、もう少し高くなります。

また、複数の金融機関から借入がある場合は、×金融機関の数になります。

 

地目変更の登記が必要なケースと相場は?

実際には宅地として利用されている土地でも、地目が「田」や「用悪水路」のままの土地もあります。

そのような土地の場合は、売買するときに実際の地目である「宅地」へ変更する必要があり、登記の費用がかかります。

 

地目変更の登記費用の相場は3万円前後で、土地の筆が増えると5,000円前後が加算されます。

 

建物の未登記部分の更正登記が必要なケースと相場とは?

建物の増改築が原因で、現在の状態と登記した当時の状態に相違がある場合に必要な手続きです。

 

正直に言ってしまうと、「購入する人が利用する金融機関に知られなければ、やらなくても良い」部分です。

ですが購入する人のことを考えると、やってあげたほうが良い部分でもあります。

 

金融機関は住宅ローンを貸し出すときに、購入する不動産に担保設定をします。

不動産の担保価値は物件の資料や契約書、登記事項証明書などの書類を基に判断します。

そして、金融機関が不動産の現地確認をすることはまずありません。

 

つまり、登記簿上の情報と実際の不動産の誤差を知る機会がないため、金融機関の担当者に黙っていればスルーできてしまう部分です。

 

ですが、黙っていたという事実が金融機関側に知られてしまうと大問題です。

本当に担保価値があるのか、根本的な部分に関わってくるからです。

実際に無秩序に増改築をすることで、建築基準法上の違法建築物になってしまう建物もあります。

 

建築基準法や都市計画法などの法令に抵触するような不動産に、金融機関は担保価値を認めません。

このことが原因で買主にも迷惑をかけてしまうかもしれません。

リスクを背負ってまでスルーすべき部分ではないと思います。

 

建物の未登記部分の更正登記の費用は10万円前後(税別)が相場です。

土地家屋調査士による図面の作成・登記の差し替えがあるためか、住所変更よりも割高です。

 

登記手続きの時に必要な書類とは?

登記の手続きに必要な書類は登記の種類で異なります。

 

■氏名・住所変更登記の場合

氏名・住所変更登記では、以下の書類が必要です。

 

・登記の委任状

司法書士事務所が用意する書類です。

 

・戸籍の附票

住所地のつながりを証明するための書類です。

 

・戸籍謄本

婚姻などで氏名の変更があったことを証明する書類です。

 

■抵当権抹消手続きの場合

抵当権の抹消登記では、以下の書類が必要です。

 

・登記申請書・登記の委任状

依頼する司法書士事務所が用意する書類です。

 

・登記原因証明情報(弁済証書)

金融機関が発行する返済を完済したことを証明する書類です。司法書士が対応してくれます。

 

・抵当権者の委任状・登記識別情報通知

こちらも金融機関から受領する書類です。司法書士が対応してくれます。

 

■地目変更登記の場合

地目変更登記では、以下の書類が必要です。

 

・登記の委任状

土地家屋調査士事務所が用意する書類です。

 

■建物の未登記部分の更正登記の場合

建物の未登記部分の構成等では、以下の書類が必要です。

 

・登記の委任状

土地家屋調査士事務所が用意する書類です。

 

・所有権証明情報

確認済証、検査済証、固定資産税台帳登録事項証明書、相続証明書などのうちから2点。

依頼者が用意する書類です。

 

・建物図面・各階平面図

こちらも土地家屋調査士事務所で用意してくれます。

 

■まとめ

不動産を売却するとき、登記は必ず必要なものではありません。

登記簿の内容と実際の状況に相違がある場合と、抵当権が設定されている場合に必要になります。

金額は登記の種類にもよりますが、数万円から10万円前後の費用がかかります。

必要書類も様々ありますが、依頼する不動産会社よりお知らせがありますので、その都度

、用意してください。

 

不動産の売却には様々な費用がかかります。

以下に費用についてまとめた記事のリンクを貼付しました。

ご興味がある人は参考にご覧になってください。

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

小川洋輔

小川 洋輔

新潟市の不動産会社 敬和不動産株式会社の代表
1981年生まれ、新潟市出身、南中野山小学校、東石山中学校、新潟明訓高校、明治大学出身。
宅地建物取引士、2012年より不動産業界に従事しています。

「はじめての不動産活用の「不安・心配」を「納得・安心」へ」をモットーに不動産活用の情報を提供させていただいています。
また、会社名の敬和不動産は生前、親孝行できなかった父の名前からもらいました。
私の仕事は、ご相談者様の最後の親孝行・兄弟孝行のお手伝いだと思っています。

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