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「ここの不動産会社の査定額だけ異常に高い!」

そんなことが実際に起こる可能性があります。

複数の不動産会社から不動産査定額の提示を受けたときに、高すぎる査定額を提示する不動産会社があった場合には注意が必要です。

高すぎる査定額を信用して、その不動産会社へ売却を依頼すると、売却そのものが失敗してしまうこともあります。

不動産会社を選ぶときは査定額だけを参考に選ばないことが重要です。

こちらの記事では、高すぎる査定額が提示される理由や、注意点、失敗しないための対策について詳しく解説しました。

 

この記事を読んでいただくと、こんなことが分かります。

・高すぎる査定額を信用してはいけません

・高すぎる査定額を信用してはいけない理由

・高すぎる査定額を提示されたときの解決策とは?

・査定額の高い・低いよりも重要な不動産会社の選び方

 

目次

■不動産査定額は成約価格と同じではありません

■高すぎる査定額を信用してはいけない理由

・売却の依頼を受けるためだけに提示しているから

・成約までに非常に長い時間がかかるから

・囲い込みをされる可能性があるから

■高すぎる査定額を提示されたときの解決策とは?

・査定額の根拠を確認する

・自分で相場価格を調べる

・他の不動産会社からも査定額の提示を受ける

■査定額の高い・低いよりも重要な不動産会社の選び方

・不動産の専門性

・物件が所在する地域に精通し、実績があること

・担当者の実力

■まとめ

 

不動産査定額は成約価格と同じではありません

まず、高すぎる査定額を鵜吞みにしないでください。

複数の不動産会社から提示された査定額を比べたときに、「最も高額な査定額の不動産会社へ売却をお願いしよう」と考えてしまうのは仕方のないことかもしれません。

 

せっかく売却するのですから高額で売却したいと考えるのは誰もが思うことですし、最も高額な評価をしてくれた不動産会社を信用してしまう気持ちも分からないではないです。

 

ただし、そのような考え方は捨てたほうが良いです。

なぜなら不動産の査定額は成約価格ではなく、売れなくても不動産会社は何も保証してくれないからです。

通常の査定価格は、査定をした不動産会社の担当者が「仲介で3か月以内に成約できるだろう想定の金額」として提示している金額です。

一般的な査定方法は過去に近隣で取引された事例をもとに行われます。

過去の事例をもとに3か月以内で成約できる、客観的に評価した金額が査定価格になります。

その査定額で成約できるかどうかは実際に販売をしてみないと分からないものです。

 

高すぎる査定額を信用してはいけない理由

不動産査定は査定対象の不動産と似た条件の不動産が、過去にどのくらいかの金額で取引されているかを確認したうえで、査定価格を算出します。

そのため、各社の査定額には大きな金額の相違が生まれることがほとんどありません。

 

ですが、複数の不動産会社に査定を依頼したときに、他の会社より2割以上高額な査定額を提示する不動産会社もあります。

明らかに高額すぎます。

そんな査定額が提示された場合には信用しないほうが賢明です。

なぜでしょうか?以下のような理由があります。

 

・売却の依頼を受けるためだけに提示しているから

 

・成約までに非常に長い時間がかかるから

 

・囲い込みをされる可能性があるから

 

以下に詳しく説明していきます。

 

売却の依頼を受けるためだけに提示しているから

相場が1000万円なのに、1300万円の査定額を提示されたら、どう思いますか?

「この不動産会社へお願いしよう!」と考えてしまいませんか?

 

高すぎる査定額を提示した不動産会社の目的は、まさにそれです。

他の競合他社との競争に打ち勝ち、所有者と契約を結ぶためです。

それだけのために高額な査定額を提示してきます。

 

最近では、不動産一括査定サイトというサイトがあります。

不動産の情報や所有者の氏名・連絡先を入力するだけで、4社から6社前後の不動産会社から査定額の提示を受けられ、不動産の売却を検討している人にとっては便利なようにも感じますが、一括査定サイトを利用した場合に高額すぎる査定額が提示されることがよくあります。

 

一括査定サイトは複数の不動産会社が依頼者へ査定額を提示することを前提にしています。不動産会社は競合他社がいることが分かっている状態で査定額を提示しますので、競合との競争に勝つために高額な査定額を提示するのです。

 

「売れなければ不動産会社も困るのでは?」とお考えになる人もいらっしゃるかと思います。

確かに、不動産会社が受領する仲介手数料は成果報酬で、成約しない限り、依頼者から頂戴することはできません。

不動産会社も困るのではと考えるのが普通です。

ですが、不動産会社はほとんど困りません。

 

仲介で依頼を頂戴している以上、不動産会社にはリスクがほとんどありません。

自社で所有している転売目的の物件であれば、金融機関から借り入れている利息の支払いなどのリスクもありますが、仲介物件の所有者は不動産会社ではありません。

 

また、依頼者から媒介契約を解除されない限り、何かの理由をつけて売り出し価格を下げていき、いつかは成約する可能性もあります。

大幅に条件を変更できるのであれば、自社で買取をできる可能性もあります。

 

つまり、高すぎる査定額を依頼者へ提示しても、不動産会社が困らないのです。

 

 

 

成約までに非常に長い時間がかかるから

不動産を探しているお客様には予算があり、長い時間をかけて自分の条件に合う物件を探しています。

また、インターネットを利用して物件を探している間に、ある程度の相場観を持っているお客様が非常に多いです。

 

高すぎる査定額をもとに決めた売り出し価格で販売をしても、お客様から「とても高額な物件だ」という印象を持たれるだけです。

物件情報を見てもらう機会を失い、具体的なお問い合わせにもつながりません。

お問い合わせがない状態が続けば、売り出し価格を見直すことになります。

 

わざと高い査定額を提示する不動産会社には行動パターンがあります。

販売を始めてから、しばらく経ったころに、「お客様からの反響が悪いから価格を下げましょう」と、理由を付けることで成約できる価格まで下げさせるというのが、お決まりのパターンです。

 

もともとの査定額が高すぎるわけですから、売れるわけがありません。

それを分かってやっているのですから、非常に悪質です。

そうこうしている間に、結局は他の不動産会社から提示された査定額まで価格を見直すことにもなります。

 

また、インターネットに物件情報を掲載している期間が長い物件や、何度も価格の変更が行われている物件は、お客様から警戒されることもあります。

「なぜ、ずっと売れないのだろう」「何度も価格を下げているのは事故物件だからかもしれない」など疑問に思われ、さらにお問い合わせをいただく機会が少なくなる可能性もあります。

 

囲い込みをされる可能性があるから

囲い込みとは、所有者から依頼を受けた不動産会社が他の不動産会社へ物件情報を紹介しない妨害行為のことです。

 

インターネットのサイトなどで物件情報を見た他の不動産会社が、その物件に問い合わせをしても、「この物件は商談中です」とか「申し込みが入りました」などの嘘をつき、他の不動産会社が購入検討者へ物件情報を紹介できなくする行為が囲い込みです。

 

囲い込みをする目的は両手仲介を狙っているからです。

両手仲介とは売主・買主の両方から仲介手数料をもらう取引です。

買主側に他の不動産会社が入ってしまうことを妨害するために、物件情報を囲い込んでいるのです。

 

囲い込みをされると、物件情報が他の不動産会社に一切オープンにされなくなってしまいます。

他の不動産会社からの見込み客の紹介が一切なくなります。

これでは、いつまで経っても契約をしたいというお客様が現れません。

囲い込みは法律でも禁止されている、れっきとした違法行為です。

 

また、購入希望者が見つかりづらくなるということは、査定額よりもさらに売り出し価格を下げなければいけない事態になり、結果的に想定していたよりも大幅に低い金額での成約になってしまう可能性も高まります。

 

高すぎる査定額を提示されたときの解決策とは?

高すぎる査定額を提示された場合、どのように対応すればよいでしょうか?

以下の解決策をおすすめします。

 

・査定額の根拠を確認する

 

・自分で相場価格を調べる

 

・他の不動産会社からも査定額の提示を受ける

 

以上の3つです。

 

査定額の根拠を確認する

高額な査定額が提示されたときは、その不動産会社へ根拠を確認してください。

過去の取引事例や市況などの具体的なデータを使って説明してくれ、その説明に説得力があるかどうかが重要です。

あいまいな返答しか返ってこない場合はその不動産会社への依頼は控えましょう。

 

自分で相場価格を調べる

査定額が妥当なものかどうかを判断するために、自分で相場価格を調べてみましょう。

不動産の相場の価格は周辺の過去の取引事例をもとに決まります。

取引事例を確認することで自分でもおおよその相場を調べることができます。

 

国土交通省が運営する不動産ライブラリーを利用することで、過去の取引事例を確認することができます。ご興味のある人はぜひ利用してみてください。

 

 

他の不動産会社からも査定額の提示を受ける

この時点で複数の不動産会社から査定額の提示を受けていない場合は、他の不動産会社にも査定を依頼し、査定額の提示を受けることをおすすめします。

査定を不動産会社に依頼するのには以下の2つの意味があります。

 

・相場の価格を把握して売り出し価格を決めるため

 

・各不動産会社の中から、実際に依頼をする不動産会社を決めるため

 

以上の2つです。

 

不動産を売却する機会は人生で一度あるかないかの機会です。

ほとんどの人は初めての経験です。

一社にしか査定を依頼しておらず、その査定額に信ぴょう性があるかどうかを見極めるのは非常に難しい作業です。

複数の不動産会社から査定額の提示を受け、おおよその相場価格についての知識を養い、その後の売り出し価格の決定に役立ててください。

 

また、複数の不動産会社に査定依頼をするのは、実際に売却を依頼する担当者との出会いの機会を増やすことにも繋がります。

不動産の取引は過去の実績がものを言います。

実績の多い不動産会社・担当者へ相談することで、販売活動を成功に導くことができます。

 

 

査定額の高い・低いよりも重要な不動産会社の選び方

実際に売却を依頼する不動産会社を選ぶときに、提示された査定額を基準に選ぶ人も多いですが、査定額の多寡よりも大切なのは専門性・実績や知識の量、担当者の実力です。

 

不動産の専門性

不動産会社というと、どこも同じように感じてしまいますが、違いです。

賃貸物件の仲介が得意な不動産会社や売買物件の仲介が得意な不動産会社など、さまざまです。

 

不動産を売却する場合は売買を専門に行っている不動産会社へ依頼しましょう。

ちなみに、街中やTVでよく目にするアパマンショップやエイブルは賃貸物件の仲介が得意な不動産会社です。

 

売買が得意な不動産会社は売買を専門に行っている不動産会社で、自社のホームページにもその専門性がアピールされています。

各社のホームページを参考にしてください。

 

物件が所在する地域に精通し、実績があること

物件が所在する地域に相場観がある不動産会社を選んでください。

地域に精通していて、過去の取引の実績がある不動産会社は、その地域にどのような需要があり、相場がいくらなのか、正確に把握しています。

その地域の需要を利用していない不動産会社に依頼しても、的外れな提案をされ、良い結果にはなりません。

 

担当者の実力

不動産会社を選ぶとき、会社単位よりも、そこで勤務している担当者単位で選んだほうがより良い結果に結びつきます。

 

不動産の売却の仲介のような営業の職種では、営業担当者の個人の能力によって最終的な結果が大きく変わります。

経験値の低い大手の会社の担当者よりも経験値の高い中小企業の担当者のほうが良い結果をもたらしてくれます。

 

不動産会社の内部事情としては、大手であろうが、地元の中小規模の会社であろうが、歴史が長かろうが短かろうが、社員同士の個人間での連携はあまりありません。

個人個人がそれぞれ、売り上げを追いかけている状態です。

 

社員は、入社してすぐに会社から売り上げを求められます。

上場企業が新入社員に行っているような、社員の未来に投資するための社員教育も特にありません。

「働いてもらってダメなら辞めてもらえばいい」と思われても仕方がないような、採用の仕方をしている会社も多いと思います。

 

組織としての統率もあまりなく、会社は従業員個人の能力に大きく依存していることが多いです。

また、業界からの離職率も他の業界に比べると多いような印象です。

 

そのため、業界内でも個人の能力的な格差が大きく存在しています。

長く業界にいて、取引件数が多い担当者は経験値も知識も豊富ですが、

職歴が短い人は不動産売買の税制や売却のための方法にも未熟なことがあります。

 

つまり、会社ではなく、担当者個人の能力しだいで、不動産の売却結果は大きく変わります。

 

 

まとめ

高すぎる査定額を提示する不動産会社には警戒しましょう。

そのような不動産会社に売却をお願いすると、売却そのものが失敗する可能性があります。

 

売却を依頼する不動産会社は、査定額が高い・低いではなく、

地域に精通した、売買を専門に扱う不動産会社にしましょう。

 

選ぶ際には、担当者に過去の実績や職歴を確認し、経験値の高い担当者へ依頼しましょう。

この記事を書いた人

小川洋輔

小川 洋輔

新潟市の不動産会社 敬和不動産株式会社の代表
1981年生まれ、新潟市出身、南中野山小学校、東石山中学校、新潟明訓高校、明治大学出身。
宅地建物取引士、2012年より不動産業界に従事しています。

「はじめての不動産活用の「不安・心配」を「納得・安心」へ」をモットーに不動産活用の情報を提供させていただいています。
また、会社名の敬和不動産は生前、親孝行できなかった父の名前からもらいました。
私の仕事は、ご相談者様の最後の親孝行・兄弟孝行のお手伝いだと思っています。

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