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前回まで不動産の税金を考える上での利益の計算方法や、
建物と土地の価格の按分方法をお伝えしました。

今回は、不動産譲渡所得税を計算する上で、絶対に知っておいたほうがよい特例について説明します。
すごく重要な知識ですので、忘れないで下さい。

こちらの記事を読んでいただくと、

  • 居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例とは?
  • 被相続人の居住用財産の3000万円の特別控除の特例とは?
  • 所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例とは?
  • 平成21年および平成22年に取得した土地等の長期譲渡所得の1000万円特別控除の特例
  • 特定の居住用財産の買い替え特例とは?
  • 自宅の売却で損失が出た場合でも特例があります!

以上のことをご理解いただけます。

居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例とは?

「購入当時の価格がわからない」
「先祖代々の土地だから、購入価格というものがそもそもない」

そんな自宅を売却すると、間違いなく利益が出てしまいます。
不動産を売却するときの経費を考えずに大雑把に計算すると・・・、

1000万円で売却した場合の譲渡所得税は約200万円、

2000万円で売却した場合の譲渡所得税は約400万円、

3000万円で売却した場合の譲渡所得税は約600万円、

こんなにも大きな金額の税金の支払い義務が発生してしまいます。

扱っている金額が大きすぎると、感覚が麻痺する人もいらっしゃるかもしれませんが、
とんでもない金額です。もったいないというか、誰もができれば払いたくない金額だと思います。

そんなとき、条件に当てはまる人は忘れずに適用していただきたい特例があります。
「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例」です。

長い名前で覚えづらいのですが、その名の通り、
自宅を売ったときに出た利益が3000万円まで控除される特例です。

最大で600万円分の税金の節税効果があります。
絶対に利用してください。

どんなときに利用できるかと言うと・・・

・ 所有者が自ら居住していた家屋か、その家屋の敷地や借地であること。

・ 居住しなくなった日から3年経過する年の年末までに譲渡すること。

・ 災害により消失した場合、その災害があった日から3年を経過する年の年末までに譲渡すること。

・ 自己都合で家屋を取り壊した場合、取り壊した日から1年以内に譲渡契約を締結していること、

かつ居住しなくなった日から3年経過する年の年末までに譲渡すること。

・ セカンドハウスや別荘などの趣味・娯楽・保養などのために所有する家屋ではないこと。

・ 買主が売主の配偶者・直系血族・生計を一にするもの・内縁などの特殊関係者ではないこと

・ 売却した年に住宅ローン控除や認定長期優良住宅の特別控除の適用を受けていないこと。

など、このような条件があります。

つまり、

「自宅として使っていた不動産を、住まなくなってから3年経過する年の年末までに、
(かつ建物を壊した場合、1年以内)売ると、売ったときに出た利益が3000万円まで減額できる」

特例です。

自宅の所有期間は関係なく利用できます。
自宅が夫婦等の共同名義の場合には、それぞれが3000万円まで控除を受けることができます。
第三者へ賃貸していても、引っ越して3年経過する年の年末までの売却であれば利用可能です。

新潟のような地方都市の不動産の売却では、この特例が適用できる自宅の売却のときに譲渡所得税がかかることは、まれです。

もし、これからも利用する予定がない旧自宅を持っている方がいらっしゃいましたら、売却を検討する価値はあると思います。

被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例とは?

以上は自宅だった不動産を売却するときの特例でした。
相続で引き継いだご実家にも、条件が合えば同じような特例が利用できます。

「被相続人の居住用財産の3000万円の特別控除の特例」というものです。

これも、とても重要な特例です。絶対に覚えておいて下さい。

条件に合う人が知っているのと知らないのでは、何百万円も損しますよ。

利益から控除できる金額は同じく3000万円で、一定の要件を満たすことで、相続で取得した不動産にも同様の控除を受けられることが、
こちらの特例の特徴です。

どんな条件かと言うと・・・、

・ 相続で取得した不動産であること

・ 令和9年12月31日までの売却であること。

・ 建物付きで、建物は分譲マンションのような区分所有ではなく、1戸建てであること。

・ 昭和56年5月31日以前に建築された建物であり、
その建物を耐震リフォームするか、取り壊して更地として売却すること。

・ 相続開始直前まで被相続人(亡くなった方)が一人で居住していたこと。
亡くなったことで空き家になったことが条件です。
平成31年4月1日の法改正で、要介護認定を受けて介護施設などに入所して、空き家になり、その後もずっと空き家だった場合でも、適用可能です。

・ 相続開始日(以前の所有者様がお亡くなりになった日)から3年を経過する年の年末までに売却すること。

・ 売買で入ってくるお金(売買代金と精算金の合計額)が1億円以下であること。

・ 相続したあとも、ずっと空き家であること。事業用や賃貸用としても利用していないこと

などなどです。

もし該当するのであれば、利用する価値はあると思います。

所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例とは?

こちらの特例は、今ほど説明した、自宅の「3000万円の特別控除」と併用できる特例です。

売却した年の1月1日時点で所有期間10年を超える自宅用不動産で、3000万円控除を利用しても利益が出てしまうときに、利益にかける税率を軽減することができます。

3000万円控除後の利益のうち、
6000万円以下の利益については、14%(所得税10% 住民税4%)

3000万円控除後の利益のうち、
6000万円以上の利益については、20%(所得税15% 住民税5%)

になります。6000万円以下の利益へ適用される税率が6%軽減されます。

上の税率以外に復興特別所得税が税額の2.1%かかります。

また、3000万円控除以外の特例との併用はできません。

代表的な税制の特例について説明しました。
税金のことを考えるのはもちろん大事ですが、売却前の段階では、

どのくらいの金額で売れそうなのか、

購入したときの金額を税務署に説明できる書類がきちんと手元にあるか、

諸経費・税金はどのくらいかかりそうか、

このあたりをざっくりと確認する程度で問題ないと思います。

税制等の変更によって、売却時には適用外になる特例等も考えられます。
また、不動産の状況は人によって様々です。

売却をする際に特例が適用が可能かどうかは、個々の事情を整理した上で、税務署へご確認ください。

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